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エッセイ164:負けてなるものか!

 159回と前回(163回)のエッセイは、二つの“勧め”がテーマとなりました。“失敗や悔しい体験から学ぶことの勧め”と、“失敗からも悔しい体験からも逃げないで、乗り越えることの勧め”です。改めて読み返してみると、その基盤となる行動理論(心構え、思考習慣)など意識的側面の核心部分の掘り下げが不十分でした。問題意識が後退しない内に追究しておきたいと思います。

負けてなるものか!~ 仕事に対する誇りの証し

 20数年も前の人材育成関連月刊誌に掲載されていた記事を思い出しております。何かの競争で負けた時や目指す目標が未達成だった時、その後の行動パターンを大別すると三つのタイプがある、というような内容だったと思います。
 先ず、負けたり失敗した直後は非常に悔しがるけれども、しばらくしてコロッと忘れるのが、一つ目のタイプのようです。二つ目は、枯れ木がポキッと折れるように、プライドを失って負け犬状態になってしまうタイプです。もう一つは、その時は落ち着いた風を装っていても、“こんなことで負けてなるものか”、“この借りは必ず返す。見返してやる”と、目標必達魂を持ち続けるタイプだそうです。目標必達魂の持ち主は、ある意味“私自身を認めさせたい”という欲求が旺盛なタイプかもしれません。私が目指したのは、“目標必達魂を持ち続けるタイプ”でした。そのような境地に辿り着いたのは、平成年代初期の40歳代半ばを過ぎていたと思います。
 それからというもの、とにかく自己啓発に励みました。学ぶために、自己資金を投下しました。そして、懸命に励み続けて得たものが、仕事に対する誇りでした。さらに、失敗から学ぶ謙虚さ、目の前のこととキチンと向き合う誠実さ、継続して対処する粘り強さなど、それまでとは異なる行動をとり始めました。話し方、接し方にも、変化の兆しが表れたようです。その一つが、問いかけによるグルグル回りの対話です。どこかで教わった“応答は問いに依存する”を行動指針に、傾聴姿勢と質問技術を意識して磨きました。“あなたの考えが正答”と言い続けるようになりました。
 また、“失敗とは転ぶことではない。転んだまま起き上がらないことだ”、“今いるところの小さなことから始めなさい。そこで花を咲かせなさい”、“克己は人間がかちとる勝利の中で、最も偉大な勝利である”など、先人の至言や箴言を信じて歩み続けました。それらは、失敗の原因を他律要因に求めてしまう心の弱さを、少しはシャットアウトしてくれたと思います。
 人は誰でも、悩み事(その理由は十人十色)を抱えながら日々過ごしています。悩む理由にもよりますが、“悩んでいるなら、目の前のことを何か一つでもやりましょう”と言いたくなる時もありました。そんな時は、目的が曖昧でも、“とりあえず目の前のことをやってみるか”位の気持ちでやってみることです。“成功は小さな行動からスタートする”のですから… 。また、困った時の神頼みで、○○診断(適性、手相など)にすがりたくなることもありましょう。しかし、それで解決するほど世の中は甘くありません。結局、誠実な積み重ねこそが王道なのだと思います。肚を括って、「(小さな)積み重ねこそが力なり」、「継続こそが力なり」を貫くことです。5年もすれば、精神的タフさも身についてきます。71年間生きてつくづく感じています。
 もう一つ、常々申しあげていることを再復習したいと思います。
 仕事であれ、日常生活であれ、イザという時に備えて、日頃から万全の準備をして、目の前の日々の課題や出来事と向き合って対処することです。失敗から学ぶ、学習能力を磨く、準備万端整える、これらはリスクマネジメントと言われる範疇の定番でしょう。やること全てにおいて、意図を明らかにしてPDCAサイクルを回すことが基本ということです。“成功の道標は、成功するまで努力し続けること”という言い方を耳にしたことがあります。とすれば、“失敗の道標は、楽な道を選択して途中で投げ出すこと”になりましょうか。老婆心の繰り言にならないようにしなければいけませんね。
                                                                       (2018.5.16記)

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